ダクトとは
鉄板製の矩形の部材を組み合わせ、空調機械から居室などへの空気の流れ道とするもので、空気調和設備、換気設備、排煙設備などに用いる建築施設のひとつです。ダクトとひと口にいっても、換気や排煙など設備箇所によって求められる要素は異なります。
ダクトの種類
以下では店舗・オフィス・複合ビル・工場など、様々な施設に設置されているダクトをご紹介します。
温度と湿度のコントロールのために設置されるダクトで、冷風や温風が流れるもののほか、部屋から空調機へのかえしに使われます。中規模以上のビル施設や人が多く集まる空間には必ず設置されており、目標物へ直接風を送るスポット空調などに使われることで、室内空間を快適に維持します。精密部品の工場や食品関係のクリーンルーム、病院の手術室などの清浄度維持といった空気の入れ替えが必須な場所で用いられています。
スーパー/テナントビル/コンサートホール/病院
室内に溜まった空気を室外に出したり、室外の新鮮な空気を取り入れたりするためのダクト。排気と吸気のバランスが取れていないと、気圧の問題でドアが開けづらいなどの状態となるので注意が必要です。人がいる建物には法律で設置が義務付けられ、ありとあらゆるところに設置されています。
工場/病院/事務所/食品工場/ビル/精密部品工場/店舗
特に調理時の油や煙、水蒸気などによって汚染した空気を捨てるためのダクトで、一般の排気や厨房排気に用途が分かれます。有機溶剤の局所排気、臭気や必要のない高温低温の空気を排出することもあり、実験設備や放射線設備の排気はフィルターで処理してから排出されます。また、厨房排気は延焼と、油分のダクト内部への付着を防止するため、多くの場合油分分離装置が取り付けられます。
集煙フードや油分除去装置、万が一に備え火炎延焼防止装置を設置するのが主流で、焼肉店や中華料理店はもちろん、パン屋さんなどにも用いられています。
飲食店/食品加工工場/精密部品工場
規模が大きい建物には必ずといっていいほど設置されるダクトで、火災発生時の煙を外部に排出するために利用されます。普段使用されることはありませんが、万が一の時に人々の生命を守るための設備です。その利用目的から、延焼防止に断熱処理されていることが多いです。通過風速を高速に設定するため、静圧を高圧にするべく板厚が厚くつくられています。
工場/ビル/病院